ポジティブ思考と判断ミス

一般的に中学受験生の親御さんには気難しい性格の方が多いと思われがちですが、ポジティブな性格の方も多くおられます。私が関わらせていただいている中でも、3割くらいの親御さんがポジティブな考え方をされています。

ポジティブ思考の親御さんは性格的にも明るく気さくで、私に対しても気持ち良く接していただけることが多いです。また、お子様を励ましたり応援することに長けていることが多く、そのことがお子様にとっても非常にプラスになっているように思います。

ただ、唯一の難点となり得るのが「判断ミスを冒しやすい」ということです。物事を楽観的に捉える習慣があるために、厳しい状況でも「何とかなるだろう」と考えたり、「これだけ頑張っているのだから上手くいってほしい」という願望が入ることで、特に受験校の選択の場面で見通しが甘くなってしまう傾向があります。

実際、ポジティブ思考の親御さんは、合格可能性を20~30%高く見積もってしまう傾向が多くあります。例えば、実質的な合格可能性が40%という状況であれば、合格可能性を60~70%と見積もってしまいます。

ポジティブ思考の親御さんは「相手の良い面に注目する」という傾向がありますが、お子様に対しても「良かった時の成績」が記憶に残りやすかったり、模試の成績が悪くて過去問の結果が良い場合に「過去問が出来ているのだから大丈夫だ」と前向きに捉えることがあります。常に前向きな評価をしてあげることは、長期的にはお子様にとって非常にプラスになることだと思いますが、入試ということに限れば裏目に出ることがあります。

ポジティブ思考の親御さんが判断ミスを防ぐには、まずは親御さん自身に「ポジティブ思考が故に、見通しが甘くなっているかもしれない」ということを知っていただくことが必要です。そして、その上で指導を受けている先生等に客観的なアドバイス(感覚的なものではなく、データに基づいた根拠のある意見)を求めたり、親御さん自身が「自分が合格可能性70%と思っているなら、実際は40%くらいかもしれない」というように見通しを修正されることで、正確な状況を理解しやすくなります。

受験校の選択ミスは、お子様に「勝算のない勝負に挑ませる」ことになる可能性もあります。ご自身がポジティブ思考だと感じておられる親御さんは、一度、上記のことを意識されてみてはいかがでしょうか。