「好きな勉強」を優先することが正解の場合もある

中学受験では、基本的には「好きな勉強」ではなく「やるべき勉強」を優先する必要があります。例えば、苦手科目を避けて得意科目ばかり勉強している受験生が難関校に合格することは、現実的には難しいでしょう。

ただ、同じ科目内で好きな勉強を優先することは必ずしも間違いではなく、場合によってはその方が成果が出ることもあります。

例えば、算数で課題A(知識系)を完成させた後、課題B(思考系)に進むという計画を立てていたとします。知識を固めてから思考力を鍛えるというのは定石であり、効率性を考えれば計画通りに進めていくことが正解だと言えます。

しかし、私は生徒さんが「早く課題Bに進みたい」と強く希望する場合には、課題Aを一旦保留して(1、2ヶ月後に再開する等の条件で)課題Bに進んだり、課題Aのペースを落として同時進行で課題Bを進めるというように、計画を変更することがあります。

好きな勉強を優先することによる一番のメリットは、受験生自身が取り組みたいと思っている課題なので、モチベーションや集中力が自然と高まるということです。実際、本人が希望する課題に切り替えた後、私が想定していた2、3倍のペースで一気に課題を進めてしまう受験生も少なくありません。

また、受験生自身が選択した課題を行うということに対する責任が発生して、それが良い意味でのプレッシャーになるという側面もあります。特に自己管理に長けていたり、責任感の強い受験生には、このプレッシャーが有効です。

ただ、自己管理に不安があったり、そこまで責任感への意識が強くない受験生の場合は、好きな勉強を優先することが嫌いな勉強からの「逃げ」に過ぎず、逆効果になることもあります。

好きな勉強を優先するというのは、必ずしも万人向けの方法ではありませんが、受験生の性質によっては非常に有効ですので、試してみる価値はあるかもしれません。