平均点に対するプラス・マイナスを意識する

模試の結果に対して、全体的な状況は偏差値で把握し、個別の状況は不正解問題の正答率を確認するというのが一般的です。例えば普段の偏差値が60前後の受験生の場合、今回の偏差値が55なら、通常より悪い結果ということになります。また個別の問題について、高正答率の問題を何問か落としていたのであれば、ミス等による失点が全体の結果に影響したと考えられます。

通常の模試(※)であれば、このような見方で問題ありませんが、学校別模試など難関校受験生のみが母集団となる模試では、平均点に対するプラス・マイナスを意識することが有効です。

 

(※)マンスリーテスト、組分けテスト、サピックスオープン、公開テストなど、全塾生を母集団とする模試

学校別模試では、平均点を超えることが重要なポイントになります。平均点が合格ラインとほぼ一致していたり(桜蔭など)、平均点の少し上が合格ラインになっている(開成など)ことが多いからです。

例えば、問題1の配点が8点で正答率70%の場合、平均的な受験生は5.6点(8×0.7)をとっていることになりますので、正解すれば平均点に対して2.4点のプラス(8-5.6)、不正解なら5.6点のマイナスということになります。問題2の配点が12点で正答率10%の場合、平均点は1.2点(12×0.1)、正解なら10.8点のプラス、不正解なら1.2点のマイナスとなります。

問題1をミス等で落とした場合は5.6点のマイナスが発生しますので、他の問題で5.6点以上のプラスを作ればカバーできることになります。ただ、学校別模試を受験した経験がある方は分かると思いますが、それだけのプラスを作るというのは想像以上に難しいもので、ここでのマイナスが致命傷になる可能性が十分にあります。問題2が解けなかった場合は1.2点のマイナスが発生しますが、問題1を落とした場合のマイナスに比べれば明らかに小さく、致命傷になる可能性は低いと言えます。

この模試で受験生Aが偏差値48、Bが54の場合、数値をそのまま判断すればBの方が実力が高いということになります。しかし、Aが凡ミスで平均に対して10点のマイナスになっていた場合、それが改善されれば偏差値55前後になる可能性があります。逆にBが低正答率の問題を正解して10点のプラスになっていた場合、その問題については偶然に解けた可能性も高く、それを差し引けば偏差値47前後になる可能性があります。

偏差値と正答率による分析が簡易検査だとすれば、平均点に対するプラス・マイナスによる分析は精密検査と言えます。特に学校別模試に対しては、判断ミスを避けるという意味でも有効な分析方法ですので、よろしければご参考ください。