普段から途中式を書く必要はない
 

普段の自宅学習において、お子様が途中式をきちんと書かないことを気にされる親御さんも多いのではないかと思います。これは算数が苦手なお子様に限ったことではなく、難関校受験生の親御さんからも「途中式を書くように注意しても直らない」というご相談をいただくことが多々あります。

親御さんが途中式にこだわるのは、

・途中式をきちんと書くことが正しい学習法である

・途中式を書く方が(書かない場合に比べて)成果が出やすい

・途中式を書く形式の学校を志望している場合、普段から書いていなければ実際の試験で書けない

といった認識を持っておられることが理由になっているかと思います。

これらの理由は正論で、一見正しいように思えます。実は、私自身も中学受験指導を始めて間もない頃はそのような認識があり、受験生に対して途中式をきちんと書く指導を行っていました。

しかし、実際に難関校受験生に多く関わっていく中で感じたのは、模試や入試本番で結果を出している受験生ほど、普段の学習では途中式を書かない傾向があるということです。

普段から途中式をきちんと書いている受験生は、そのことで1問に費やす時間が増えるため、全体としての演習量は減ってしまいます。例えば、途中式をきちんと書く受験生が10問を行う時間で、結果を出している受験生は(途中式を書く時間のロスがないため)15~20問を行っていたりします。算数は、基本的には量をこなす方が成果が出やすい科目ですので、演習量の差が実力に反映されていくことになります。

途中式を書く形式の学校(開成、桜蔭など)を志望している場合、普段から途中式書いていなかった受験生は、学校別模試や過去問で最初は上手く書けないこともあります。しかし、上手く書けなかった答案をもとに書き方のコツや修正点を伝えると、数回程度で上手く書けるようになることが多いです。

例外的に途中式を書く方がいいのは、問題を解き切れない(歯が立たないわけではないが、正解が出せない)場合です。途中式を書くことにより、自分がどこまで理解しているかが目に見える形になりますが、それをもとに解説を確認したり指導者に教わることで、効率的に理解できるようになります。

普段から途中式を書くべきということが常識のようになっていますが、特に難関校受験においては逆効果になっていることもあります。