無自覚に「不利な土俵」を選んでしまう受験生が多い

​志望校選びの相談を受けた際に、私は基本的には「入試問題との相性」を重要な判断材料とした上で提案を行っています。入試問題との相性を考慮するというのは、ほとんどの受験生・親御さんにとって常識的なことかもしれません。ただ、実際には(特に難関校受験において)相性が決して良いとは言えない学校を志望校(第1志望だけでなく、第2志望以降も含めて)に設定している例が多く見られます。

相性の悪い学校を第1志望や第2志望に設定すると、基本的にはその受験日程を捨てる結果になります。第1、2志望には(楽に合格できる安全校ではなく)実力相応かそれ以上の学校を設定するのが一般的ですが、そこに相性の悪さが加わると実質的な合格可能性は20~30%下がりますので、非常に厳しい勝負を強いられてしまいます。逆に相性の良い学校を選択すれば、実質的な合格可能性は20~30%上がることになります。

相性の悪い学校を志望校に設定している受験生は、相性の悪さに気付いていない、相性という発想そのものがない、相性の悪さに気付いているものの(努力や根性で)克服できると思っているなど様々な場合がありますが、いずれも無自覚に(あるいは、想定している以上に)「不利な土俵」を選んでいることになります。

私は相性(または、相性+難易度)を理由に志望校の変更を提案することがありますが、そのほとんどは「現時点の志望校設定では、明らかに勝算が低い」「一定以上の勝算はあるが、同ランクの別の学校の相性が明らかに良い」のいずれかの場合です。

前者については、例えば現時点の志望校設定では合格可能性20%のところを、相性による志望校変更で40~50%に上げる(相性+難易度による志望校変更では70~80%に上げる)という感じになります。後者については、例えば現時点の志望校設定では合格可能性50%のところを、相性による志望校変更で80%に上げるという感じになります。

相性の悪さを十分に自覚した上で、どうしてもこの学校を受験したいという覚悟がある場合はいいのですが、そこまでの覚悟がない状態で「不利な土俵」を選んでしまっている可能性がある場合は、一度、相性について精査してみるのもいいかもしれません。