親の役目は「監督」ではなく「管理者」

希学園の理事長をされている前田卓郎先生の著書「難関中学突破バイブル」の中で、「親はディレクター(監督)ではなく、マネージャー(管理者)に徹しなければならない」ということが書かれています。

熱心な親御さんの中には当事者(本書では「大人の受験戦士」と表現されています)になっているケースが多いのですが、それで受験生本人が難関校受験に成功する可能性は非常に低く、逆に親御さんが一歩引いた立場からお子様のサポートに徹している方が明らかに成功率は高い、といった内容です。

私は本書を発売直後(2006年)に読みましたが、当時は「そういうものなのか」と思う程度で、正直、ピンと来ていませんでした。ただ、その後の15年間に難関校受験生や親御さんに関わる中で、その法則が見事に当てはまるケースが多く、正にその通りだと感じるようになりました。

さらに本書では、「監督」になっている親御さんの特徴の一つとして「自分(親御さん自身)が受験すれば合格できるかも」という言葉が出てくることを挙げています。私の経験では、ご自身が(お子様が解けない)難問を解いて教えてあげたことを報告したり、ご自身の持論や仮説を積極的に伝えようとされている場合も、その親御さんが監督になっている可能性が高いのではないかと思います。

親御さんが監督になると難関校受験の成功率が下がるのは、そのことで受験生本人の「我の強さ」が失われてしまうからかもしれません。

意外に思われるかもしれませんが、最終的に開成、桜蔭、筑駒、灘といった最難関校に合格するのは「我の強い」タイプの受験生が圧倒的に多く、低学年の頃は別として、高学年(特に6年後期)になると親御さんの言うことを素直に聞きづらくなる傾向があります。本書にも「難関校に合格するのは、親が右向けと言えば、反対に左を向くような子供だ」ということが書かれています。

一般的には、親御さんが熱心になるほど受験の成功率が上がると思われていますが、その熱心さが「監督」「管理者」のどちらに向かうかということについては、盲点になっているのではないかと思います。