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開成模試の正しい見方

難関校受験生にとって、学校別模試の結果は合格可能性を確認するための重要な判断材料となります。ただ、合格可能性80%や20%という明らかな判定結果が出れば判断しやすいのですが、60%や40%という判定結果については受け止め方が難しい場合もあります。

私は開成受験に関わる機会が比較的多いのですが、開成模試については、合格可能性の数値を額面通りに受け止めていい場合もあれば、数値が実情を正確に反映していないと感じることもあります。例えば、合格可能性60%の判定結果でも合格濃厚だと感じることもあれば、合格可能性40%の判定結果でも、実際は相当厳しいのではないかと感じることもあります。

私は開成模試の結果を分析する際、算数と算数以外(国語、理科、社会)の結果をそれぞれ7段階で表し、その組み合わせを見て判断しています。2010年~2021年に25人の開成受験生に関わりましたが、その分布をまとめたのが次の資料(開成模試の成績と合否分布)です。

縦は算数、横は算数以外の結果(複数回受験している場合は平均値)をA~Gの7段階で表し、それぞれの組み合わせについて合否結果(「3ー1」であれば、合格者3人と不合格者1人)を記載しています。そして、薄い灰色の範囲は合格濃厚、白色の範囲は合格可能、濃い灰色の範囲は合格圏外を示しています。

合格濃厚の範囲では92%の受験生が合格していますが、開成模試では平均で合格可能性60~70%という判定だった受験生も何人かいます。一方で、合格圏外の範囲では合格率20%という結果ですが、開成模試では40~50%という判定を何度かとっていた受験生もいます。

特にポイントになるのは、算数以外の平均偏差値が52を超えているかどうかということです。開成模試では偏差値52~53がボーダーラインになることが多いのですが、算数以外の平均偏差値が52以上の場合の合格率が78%(18人中14人合格)であるのに対して、52未満の場合の合格率は14%(7人中1人合格)という結果になっています。

開成入試では算数で比較的得点差がつきやすく、国語、理科、社会の各科目単体との比較になれば算数が合否に与える影響が最も大きいのですが、算数1科目と算数以外の3科目総合(国語+理科+社会)という比較になると後者の影響の方が大きく、また水物の要素のある算数に比べて安定した結果を望みやすいという側面もあります。

開成模試の正しい見方を知っていれば、良くも悪くも実質的な合格可能性を見誤らず、受験校決定における判断ミスを避けることができます。

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