中学受験の戦略
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先取り学習の教材について
先取り学習を行う場合に、どの教材を使用すればいいのかで悩む親御様も多いと思います。
通っている塾の過去の教材を入手して取り組んでいる方もいれば、
市販教材や通信教材を利用している方もいます。
また、教材ではありませんが、家庭教師、個別指導、専門塾、動画サービスといった手段で
先取り学習に取り組んでいる方もいます。
私は、基本的には四谷大塚の塾教材である「予習シリーズ」をおすすめしています。
予習シリーズの利点は、全体の構成や個別の内容に偏りや癖が少なく、安心して使用できることです。
私が授業や面談を通して直接関わっている受験生の中には、予習シリーズよりも別の教材や
手段の方が適していると判断した場合に後者を提案するケースも稀にありますが、
ほとんどの場合は予習シリーズを使用していただいています。
どの教材や手段を利用するにしても意識するべきなのは、先取り学習においては完璧を求める
必要がないということです。
先取り学習の目的は、各単元の内容を深く理解して入試問題を解けるようにすることではなく、
最低限の基礎を理解して基本問題を解けるようにすることだからです。
ただ、熱心な親御様ほど、先取り学習において完璧を求めてしまう傾向があります。
それ自体は決して悪いことではないのですが、完璧を目指すが故に挫折してしまったり、
先取り学習の所要期間が長くなってしまうケースがあります。
仮に「完璧な先取り学習」を実施できたとしても、それ自体にはあまり意味がありません。
先取り学習は、本題となる受験対策を効率化するための手段であり、
そのためには(先取り学習の時点では)粗雑な理解でも十分に有用だからです。
教材についても、複数の教材(または手段)を吟味したくなる気持ちは十分に理解できますが、
力と時間を注ぐのはそこではない、というのが正直なところです。
私がそのことを指摘すると大半の親御様は納得していただけるのですが、
先取り学習に取り組む方は、ご参考いただければと思います。