「好成績だが思考力の弱い受験生」に共通していること

難関校入試では、塾で教わる解法パターンから外れた問題が出題されることも多く、

その出来が合否の分かれ目になる傾向があります。

解法パターンから外れた問題は、通常のインプット中心の学習(解法パターンを教わって

理解・定着させる学習)では対応することが難しく、最終的には思考力勝負になります。

思考力の強化は、難関校受験生にとって共通の課題と言えます。

思考力を強化する方法は多くありますが、私が指導において実践して有効だと感じるのは、

完成された解法をそのまま教えるのではなく、受験生本人の解法を完結させるということです。

未経験の問題に対して、受験生の解法は遠回りで非効率的になってしまうことも多いのですが、

その全体を修正するのではなく、解法プロセスの中で解けない原因となっている箇所を

指摘・修正するだけに留めて、基本的には最後まで自力で解いてもらいます。

自習においても、問題を解けない(または答えが合わない)場合に、解説を読んでそのまま

理解するのではなく、解説を読んだ上で自分の解法プロセスの問題点(間違っていた箇所)を

探して修正し、自分なりの解法を完結させるという感じになります。

ただ、受験生と指導者の双方にとって、これとは逆の方法(完成された解法やテクニックを

教えて理解・定着させる)の方が手っ取り早く、短期間で成果が出やすいものです。

特に大手塾の成績優秀者(サピックスα上位生など)は後者の取り組み方をする傾向がありますが、

結果的に「好成績だが思考力の弱い受験生」が多くなっているように感じます。

私は難関校対策として、思考系の応用問題を5年前期の授業から実施していますが、

後者の効率的な取り組み方をしている受験生は、経験のある問題に対しては教わった解法や

テクニックで対応できるものの、全体的には苦戦する傾向があります。

実際、偏差値50台でも思考力の強い受験生が、70台で思考力の弱い受験生を上回ることは

多々あります。

効率的な取り組み方をするほど塾の通常模試では結果が出やすく、

指導者からも高く評価される傾向がありますが、

思考力不足による将来的なリスク(難関校入試で苦戦する可能性が高いこと)については、

警鐘を鳴らされることは少ないものです。

「自分の解法を完結させる」という取り組みは、長く続けるほど思考力強化に効果的ですが、

数ヶ月程度でも一定の成果は期待できます。

特に思考力不足がネックになっている場合は、改善策として試す価値はあるかと思います。