「完璧な受験生」が最難関校入試で苦戦する理由

親御さんの多くは、常に好成績を維持している「完璧な受験生」が最難関校に合格する、

というイメージを持っているのではないでしょうか。

確かに、そのような受験生が最難関校に順当に合格するケースは少なくありませんが、

一般的に考えられているほど成功率は高くないというのが実情だと思います。

私が家庭教師として関わらせていただいた開成合格者は16人いますが、

その中で当初から合格圏内(サピックスα上位生など)の成績を残していたのは2人で、

残りの14人は「完璧な受験生」と言える状況ではありませんでした。

必ずしも盤石でない状況から開成に合格した受験生の多くに共通しているのは、

受験生と親御さんが成績に対して必要以上に神経質になっていないということです。

最難関校入試の算数は思考力勝負になることが多く、思考力強化が必須となります。

ただ、思考力を強化するためには、塾の通常学習(復習やテスト対策)の時間を削って

時間を捻出することに加えて、短期間では成果を得られにくい取り組みを継続しなければ

ならないという、二重のハードルがあります。

塾の学習時間を削れば成績が犠牲になる(偏差値で5~10下がる)ケースも多いのですが、

上記の開成合格者の多くは成績低下にこだわらず、思考力対策を継続していました。

一方で、常に好成績を維持している受験生の場合は、受験生本人や親御さんが成績低下に

対してストレスや不安を感じやすく、思考力対策の時間を減らしたり(その分、塾の

通常学習の時間を増やす)、思考力対策の取り組みそのものを断念するケースがあります。

特に、塾の復習テスト対策として過去問や予想問題を活用していた受験生や親御さんほど

その傾向が強くなります。

最難関校入試での成功率を上げるためには、思考力強化が必須だということを理解した上で、

塾の成績をある程度は犠牲にするという覚悟が必要になります。

しかし、常に好成績を維持している受験生ほど、その成功体験が(思考力強化に取り組む

ことを阻害する)リスクとなり、最難関校入試で苦戦する一因になっています。