中学受験の戦略
中学受験算数専門のプロ家庭教師・熊野孝哉の公式サイト
模試は「自宅受験」ではなく「会場受験」を選択する
コロナ以降、様々な場面でオンライン化が進んでいますが、中学受験も例外ではありません。
例えば、模試についても従来の常識だった「会場受験」だけでなく、
事前に郵送された問題を自宅で解き、答案のデータを送る「自宅受験」を選択できるケースが
増えています。
自宅受験の最大のメリットは、手軽に受験できることです。
会場受験の場合、試験会場までの移動時間、移動に関する体力的な消耗、
(親にとって)試験会場までの送迎など、少なからぬ負担が発生してしまいます。
一方、自宅受験の場合は上記の負担がなくなります。
プロの受験指導者でも、自宅受験を推奨する人は少なくないと思います。
ただ、私自身は基本的には会場受験をおすすめしています。
会場受験の最大のメリットは、プレッシャーとストレスのかかる環境を経験できることです。
特に普段通っていない塾(他塾)の模試を試験会場で受験すると、
受験生にとってはアウェーの環境でもあり、本来の実力を発揮できないケースがあります。
しかし、その経験(失敗)を繰り返すことでメンタルを少しずつ強化できれば、
プレッシャーやストレスのかかる場面でも実力を発揮しやすくなります。
多くの受験生や親にとって盲点になっているのは、入試本番においてプレッシャーやストレスが
合否に与える影響は想像以上に大きい、ということです。
首都圏の受験生の場合、特に2月1日の試験において(合格できる実力があるにも関わらず)
平常心を失うことで本来の実力を発揮できず、残念な結果になるケースが少なくありません。
あくまで主観になりますが、受験形態別のプレッシャーやストレスの程度を数値化すると、
次のようになるかと思います。
他塾の会場受験:100
普段通っている塾の会場受験(別の校舎):50
普段通っている塾の会場受験(通常の校舎):20
自宅受験:0
親の事情(送迎が難しいなど)で自宅受験を選択する場合は仕方ないのですが、
会場受験を選択できる場合には、なるべく会場受験を優先する方がいいかと思います。