中学受験の戦略
中学受験算数専門のプロ家庭教師・熊野孝哉の公式サイト
「部分的な成果」を評価する
受験生が親御さんの作成した学習計画を完遂できなかった場合、
親御さんからは評価されないケースが多いです。
例えば「1ヶ月で算数の問題集を30ページ進める」という計画に対して、
15ページしか進まなかった場合に「十分に頑張った」と評価する親御さんは
少ないのではないでしょうか。
大半の親御さんは、完全な(または完全に近い)成果のみを評価します。
ただ、フラットに考えれば、15ページ進めばそれに応じた成果はあるでしょうし、
解ける問題も15ページ分は増えているはずです。
ケースバイケースではありますが、そういった部分的な成果を認めないのではなく、
もう少し評価してもいいのではないかと思います。
部分的な成果を評価することは、モチベーション向上にもつながります。
モチベーション低下の多くは、ハードルを上げ過ぎることが原因になっています。
ハードルを下げ過ぎると弊害もありますが、少し下げて評価されやすくすることで
モチベーションを調整することができます。
模試の結果についても、同じことが当てはまります。
例えば、正答率80%以上の易しい問題を3,4問ミスしてしまうと、
正答率10%未満の難しい問題を1,2問正解しても、成績的には振るわない結果になります。
親御さんの心情としてはミスを責めたくなるところですが、
難しい問題を正解したことを評価してあげる方が受験生のモチベーションは上がり、
中長期的には結果が出やすくなります。
「モチベーションが上がる→頑張れる→結果が出やすくなる」というのは簡明な流れですが、
そのモチベーションを上げるために、部分的な成果を評価することは有効です。
特に、親御さんの求めるレベルが高くて(受験生が)モチベーション低下に陥っている場合は、
少しアプローチを変えてみるといいかもしれません。