難関校入試は運の影響を受ける

昔から「運も実力の内」と言われることがありますが、
中学受験でも高いレベルの勝負になるほど、
実力だけでなく運の影響を受けやすくなります。

2020年2月入試では、私が家庭教師で指導していた5名が開成中学を
受験して、その内の3名が合格しました。

「算数」「国語+理科」の実力について、次のA~Cに分類する
(社会は度外視する)と、5名の内、Aは1名、Bは2名、Cは2名
という状況でした。

A:算数、国語+理科とも実力が高い
B:算数は実力が高いが、国語+理科は不安がある
C:国語+理科は実力が高いが、算数は不安がある

開成中学は算数、国語、理科、社会の4科目入試ですが、
基本的には「算数勝負」となる傾向があります。

科目別に「合格者平均点」と「受験者平均点」の得点差に注目すると、
過去4年間(2016年~2019年)の得点差の平均は、
算数が13.6点、国語が6.9点、理科が4.4点、社会が5.0点で、
算数が受験結果に圧倒的な影響を与えている(合格者平均点と
受験者平均点の差が大きい)ことがわかります。

例年の入試であればA、Bの3名が合格していた可能性が高く、
Cの2名は(合格可能性はあるものの)厳しい結果になる可能性も
高かったのではないかと思います。

しかし実際はA、Cの3名が合格し、Bの2名が不合格という結果に
なりました。

2020年の「合格者平均点」と「受験者平均点」の得点差は、
算数が10.9点、国語が9.2点、理科が7.9点、社会が4.3点
(国語、理科の合計は17.1点)で、算数よりも国語+理科の方が
受験結果に大きな影響を与えるという、直近の開成中学の入試では
見られなかった状況になりました。

仮に同じ5名が1年前(2019年)の入試を受験していれば、
あるいは1年後(2021年)の入試を受験すれば、
B、Cの4名の受験結果がすべて逆転する可能性は十分にあります。
つまり、5名中4名が良い意味でも悪い意味でも「運の影響を受けた」
ということになります。

十分な実力のある受験生が複数の志望校を受験する場合、
トータルに見れば、高確率で実力に見合った結果が出ます。
実際、開成中学で残念な結果になった2名は、
どちらも開成中学とほぼ同じ難易度の別の学校に合格しています。

ただ単体の入試結果で見れば、特に難関校入試は受験者の実力が高い
レベルで拮抗しているがゆえに、十分な実力があっても運の影響を
受けてしまうことがあります。

「運の影響を受ける可能性もある」ということを現実として受け止め、
良い意味で慎重になることも必要だと思います。
 

※本記事は、メールマガジン(2020年9月9日配信)の内容を転載したものです。