開成向きの受験生と聖光向きの受験生

首都圏の男子難関校受験生にとって、開成中学と聖光学院中学はどちらも人気が高く、難易度(大手塾が出している合格可能性50%偏差値)も拮抗しています。ただ、算数の入試問題については大きな性質の違いがあり、その相性が両校の実質的な合格可能性にも大きく影響します。

開成の算数では、受験算数の解法やテクニックで対応することが難しい問題が少なからず出題される一方で、正解に至らなくても解答のプロセスを評価して加点してくれるため、思考力を強みにしている受験生が合格しやすいシステムになっています。

一方、聖光学院の算数では、問題の難易度は高いものの、受験算数の解法やテクニックを駆使すれば対応可能な問題が大半です。ただ、解法のプロセスに対する加点はないため、学習能力と処理能力を強みにしている受験生が合格しやすいシステムになっています。

塾の通常模試は、学習能力と処理能力の高い受験生ほど(思考力が多少弱くても)好結果が出ますので、そこで好成績を維持している受験生であれば、基本的には聖光学院の入試問題に合わないという可能性は低いと言えます。ただ、思考力に関しては実は弱い可能性もあり、その場合は開成の入試問題に合わない可能性が高いです。

逆に、実は開成に合格できる可能性がある(思考力が強い)ものの学習能力と処理能力に課題のある受験生は、塾の通常模試では好結果が出づらく、開成を目指すという発想にならない場合もあります。塾の先生も基本的には通常模試の結果を通して受験生の状況を把握しますので、開成に合格する実力はあるものの通常模試で十分な結果が出ていなければ、その成績で一般的に合格可能な受験校を勧める傾向があります。

つまり、聖光向き(聖光学院の入試問題との相性が良い)の受験生は、通常模試の成績から判断しやすいのですが、開成向きの受験生は判断が難しく、そのことが受験校の選択ミス(開成向きでないことに気付かず開成を受験したり、開成向きであるのに候補から外してしまう)につながるケースが少なからずあります。

開成入試への適性については、思考系の応用問題を解いていく中で(どの程度スムーズに解けるかを見て)ある程度は判断できますが、6年生であれば開成模試を何度か受験することで明らかになります。いずれにしても、開成を目指す可能性がある受験生は、積極的に相性を確認する機会を作ることをおすすめします。