現状を立体的に把握する

 

受験では、現状を正確に把握することが必要です。現状把握が不正確だと適切な対応策をとれなることが多く、逆に現状を正確に把握できれば自然に対応策は見えてきます。

大多数の中学受験生は、模試を現状把握の判断材料にしてます。例えば、サピックスの6年生ならサピックスオープン模試、四谷大塚の6年生なら合不合判定テストが有力な指標になります。

ただ特に難関校受験において、そういった通常模試(注)のみでは正確な現状を把握しきれないことがあります。実際、通常模試では好成績を最後まで維持していたけれど難関校入試で失敗するという例は少なくありません。

好成績者の不合格は多くの場合、本番で実力を発揮できなかったという理由で片付けられる傾向があります。しかし私の経験上、そもそも受験生や親御さんが考えているほど(模試の成績ほど)良い状況ではなく、実は不合格も十分想定内であることが少なくありません。

特に6年前期までは、大多数の受験生は通常模試を主な判断材料にしていますが、そこから得られるのは「平面的」な現状です。

一方で、成功するべくして成功する難関校受験生は、早い時期から通常模試だけでなく学校別模試や入試問題にも積極的に取り組み、「立体的」な現状を把握していく傾向があります。

「平面的(立体的)な現状」というのは聞きなれない言葉だと思いますが、親御さんで難関大学の受験経験がある方は、当時の大学入試に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。

例えば、駿台の全国模試や河合塾の全統模試で好成績でも、それだけで「東大に合格できる」と判断することは現実的ではありません。

そういった通常模試の結果も参考にはなりますが、それに加えて(それ以上に)東大模試や過去問の結果を重視して、立体的に現状把握するというのが普通の感覚です。

さらに、東大模試であれば複数の予備校(駿台、河合塾、代ゼミ等)のものを受けて、例えば英語が駿台だと点数がとれないが河合塾や過去問だととれる等といった状況を分析した上で、慎重に対応策を考えていくという方が多かったのではないでしょうか。

親御さん世代の大学入試を例に挙げましたが、全国模試(全統模試)をサピックスオープンや合不合判定テスト、東大模試を学校別模試に置き換えれば、ほぼ同じことが言えます。

ちなみに私が家庭教師として長く関わり、今年の入試で開成、桜蔭、麻布といった難関校に合格した生徒さんは5名おられましたが、学校別模試は平均で22回受験していました。

現状を平面的にしか把握できないか、立体的に把握できるかでは、特に難関校受験での成功率は確実に変わります。

現時点で順調な方もそうでない方も、学校別模試の活用など、現状を立体的に把握することを意識してみてはいかがでしょうか。

(注)算数であれば、50分の制限時間で30問程度の問題数で構成され、基本、標準、応用の各レベルがバランス良く出題される模試。サピックスオープンや合不合判定テストに加えて、サピックスなら組分けテストやマンスリーテスト、四谷大塚なら組分けテスト等も含まれます。

※本記事は、メールマガジン(2018年5月1日配信)の内容を転載したものです。