「カンフル剤」としての課題
受験生にとって在宅時間が十分にある状況でも、
それに合わせて学習量を増やすことは意外に難しいものです。
例えば在宅時間が通常の2倍ある場合でも、学習量が1.5倍になれば
良い方で、多くの受験生は通常と同程度だったり、通常より少なく
なってしまう傾向があります。
親御さんにとっては、時間が十分にあるのに有効活用できないという
状況がストレスになってしまうかもしれません。
ただ、増えた在宅時間を有効活用している受験生もいます。
時間が十分にある状況の方が、学習量という意味では格差が広がって
いるように感じます。
モチベーションや緊張感を高めるには「カンフル剤」として、
意識的に新しい課題を行うことが有効です。
一方で、普段でも取り組める課題(塾の復習など)でモチベーション
や緊張感を高めることは、なかなか難しいと思います。
新しい課題として、例えば6年の難関校受験生なら、
・少し難度の高い問題集(プラスワン問題集など)を一気に仕上げる
・難問集(中学への算数など)に取り組む
・志望校の古い年度の過去問を解いてみる
といったものがあります。
5年の難関校受験生なら、
・先取り学習(予習シリーズなど)を一気に進める
・未習でも取り組みやすい分野(場合の数など)を集中学習する
といったものがあります。
私も受験生には普段から「カンフル剤」的な課題を出していますが、
実力向上に加えて、モチベーションや緊張感を高めるという意味で
十分な効果を実感しています。
在宅時間が十分にあるのに学習量が増えない場合には、
改善策として、この機会に試してみるのもいいかもしれません。
※本記事は、メールマガジン(2020年4月2日配信)の内容を転載したものです。