中学受験の戦略
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6年生の1年間で「何点」伸ばせばいいのか
志望校合格に向けて、6年生の1年間で「実力を大きく伸ばす必要がある」ことは
改めて言うまでもありませんが、具体的な指標(各科目で何点伸ばせばいいのか)を
把握している方は少ないのではないでしょうか。
中には早期(5年生後半など)に志望校の過去問を行い、個人レベルで指標を把握している
方もおられますが、数百人規模のデータに基づく指標となると非常に限られています。
私が個人的に参考にしているのは、四谷大塚の「開成入試同日体験受験」のデータです。
開成志望の新6年生が、開成入試当日(2月1日)の夕方に(当日実施された)開成中学の
入試問題を本番と同じ条件で実施するというものですが、
このデータ(科目別受験者平均点)と開成中学の公式データ(入試本番の科目別受験者平均点)
の得点差を見れば、各科目についての指標(1年間で何点伸ばせばいいのか)を把握する
ことができます。
直近4年間(2022年~2025年)の各科目の得点差(4年間の平均値)は次の通りです。
算数:22.5点(85点満点、入試本番の受験者平均52.0点、同日体験受験の受験者平均29.5点)
国語:9.5点(85点満点、入試本番の受験者平均45.0点、同日体験受験の受験者平均35.5点)
理科:13.4点(70点満点、入試本番の受験者平均53.2点、同日体験受験の受験者平均39.8点)
社会:17.5点(70点満点、入試本番の受験者平均51.5点、同日体験受験の受験者平均34.0点)
算数については、オーソドックスな応用問題(塾で教わるタイプの問題)は得点差が大きくなり、
変則的な思考力問題は得点差が小さくなる(新6年生でも思考力問題が得意な受験生は対応できる)
傾向があります。
開成の算数は、他の難関校に比べて「変則的な思考力問題」の出題が多くなっていますが、
「オーソドックスな応用問題」の出題が多かった2023年は得点差が30.7点で、
他の年度より明らかに得点差が大きくなっていました。
聖光学院や渋幕の算数と比較すると、聖光学院はオーソドックスな応用問題の出題が多く、
渋幕は開成と聖光学院の中間といった感じになるかと思います。
聖光学院や渋幕の算数については、開成のような大人数で比較したデータがなく、
限られたサンプルからの大雑把な判断となりますが、渋幕の(入試本番と新6年生の)
算数の得点差は開成の1.5倍程度、聖光学院は開成の2倍程度になるのではないかと思います。
上記の得点差は、過去問演習を実施する際にも反映される傾向があります。
例えば6年生半ばに算数の過去問を実施した場合、開成の算数は比較的得点しやすいものの、
入試本番までの伸びしろとなると、そこまで大きく得点が伸びないケースが少なくありません。
逆に聖光学院の算数は、6年生半ばに実施すると(開成算数で合格水準に達している受験生でも)
受験者平均点に大きく届かないケースも多いのですが、入試本番までの伸びしろは大きく、
12月や1月に大きく得点が伸びるケースも多々あります。
開成の上記データをそのまま他校に当てはめるのは少し無理があるかもしれませんが、
1つの指標として、参考にはなるかと思います。